ファザー・テレサ

自民党の武部勤幹事長が昨年の総選挙中、堀江貴文容疑者を「私の息子です」と後押しした件で党としての責任を問われ「私はどんな若者にも父親のような気持ちで接している」と釈明した。 弁解に終始するあまり、つい「日本国民のお父さん」の座に名乗りを上げ…

あの人の忘れ形見

ふとした拍子に誰かを思い出すという事はままあって、その数秒後には思い出した事すら忘れてしまうなんて事もまた僕にはままあるのだけれど、今年に入ってから思い返す頻度が尋常でないせいで、遂には恋煩いと錯覚しそうなほど出ずっぱりの存在となってしま…

ライブ初め

諸々の用事で大阪に出た。その諸々の一つがシングルズの鍵返却だったのだが、貸し出し日が昨年8月という管理票の書き込みひとつで、マスター歴13回の中堅にしてなぜ僕がお荷物的存在であることが伺い知れようものだ。これをお読みの関係者のみなさん、本当に…

大人割引

エロビデオ店の売り上げが下降の一途を辿り、次第に経営を逼迫し始めたある日、オーナーが神妙な面持ちで話を切り出した。 それは地下鉄に「大人割引」という制度があり券売機で「特別割引」ボタンを押しさえすれば半額になる、だから今後の通勤手当は定期代…

年賀メール

戌年ということで愛犬を素材にした年賀状が日本全土を飛び交ったに違いない2006年元日。 僕宛に届いた僅か2通の年賀状の両方が犬写真だったことからしても、そのワンワン狂騒のし烈さが看てとれようものだ。 中にはこの愛犬家特有の押し付けがましいファミリ…

さよなら2005、さよならポチクロ〜ポチミツとクローバー

大晦日をシングルズでマスターとして迎えた。昨年に引き続いて2年連続のことであり、これはもうサザンと並んで恒例カウントダウンのひとつに数えられてもいいのではないだろうか。 それにしても前日シフト申請とは急にもほどがあった。 慌てて載せたプロフィ…

傷つけてしまった人へ

時に若さゆえの身勝手な振舞いで人を傷つけてきた。 周囲など目に入らなくて、ただがむしゃらだった全力投球の日々。 幸せを望む、その思いだけだったのに。 15年前の元日、家族で訪れた上賀茂神社。 その年は野茂英雄が近鉄バファローズに入団、タイトルを…

2005年を振り返る

大晦日ともなるとテレビ、新聞、日記、どこに目を向けても話題は2005年の総括一色だ。 人間はかくも反芻する生き物なのかという気もしてくるが、僕も過日SINGLESマスター史をリストアップしているあたり、そこは同じく囚われの身にある一人なのである。 さり…

ぽっくっくのクリスマス・ウィッシュ

当日、来店して下さったお客様が次々と日記にしてくださり随分経つこの時期に遅ればせながらごってりとしたレポートを。 クリスマスイブということでそれなりに企画らしいことは出来たはずだが、結局僕達ぽっくっくの二人は特に打ち合わせらしい打ち合わせも…

高橋は高橋

年の瀬に乗じて書店員が仕掛けた高橋を貶める罠。それも奥歯に物の挟まったようなニュアンスで誹謗中傷にあたらない程度にやんわりとくさしてくるあたり実に巧妙である。一体何がそうまでして売り子を高橋バッシングに駆り立てるのか、いぶかりたくもなると…

国会のメリークリスマス

日本中を揺るがす耐震偽装問題で遂に姉歯元一級建築士らが国会で証人喚問された。僕はこの模様をニュースでしか見ていないので、彼がどのような答弁をしたかまでつぶさに知る訳ではない。しかし衆議院に現れた姉歯氏の姿から今回彼が嘘偽りなく真実を語ろう…

僕とシングルズ

これまでSINGLESについてあまり語ることをしてこなかったので、ここらあたりで触れてみよう、そう思っていたらペコリーナ(旧姓くっく)さんが先んじる形で日記にしたためてしまわれた。 SINGLESとの出会いやマスターユニット「ぽっくっく」についてご興味を…

監督として

ヤクルト・スワローズの古田敦也選手が来シーズンより監督に就任する。現場の最高責任者である監督と選手の兼業、所謂プレイング・マネージャーは野村克也氏以来29年ぶりとなる抜擢だが、これは野村監督の下で培われた野球観は勿論、プロ野球選手会会長とし…

冷たい風

社会問題となって久しいニートへの風当たりは強まる一方だ。うねるようにして押し寄せる排斥の波は遂に銭湯業界にまで及んだ。古くより憩いの場として市民に愛され続けてきたこの業界に「寛ぎ、団らん等の非生産的利用目的の使用お断り」の姿勢を一貫して打…

船長の死

「カバチタレ!」再放送を見ていたら、常磐貴子演じるウェイトレスと記憶とがシンクロした。 京都駅にほど近い喫茶店での事。サンドイッチの種類が豊富なメニューを受け取り、注文をしようとウェイトレスにふと目を遣ったその時、白いブラウスから透けた黒い…

甦る思春期

「ザ・ワイド」のコーナー、特ダネファイルを見ていた。キャバクラに勤める女性が「髪を切られ過ぎた」として、美容院に対して損害賠償を求めた訴訟の判決で、裁判所が美容院側に24万円の支払いを命令、という記事を取り上げた時のこと。VTRの後、女性コメン…

またやらかしそうなポールさん

奈良の女児殺害事件から一年ということで、夕方のニュースが性犯罪を取り上げていた。その中で再犯率が高いとされる性犯罪者の更生を目的とした米国の治療施設が紹介されていたのだが、プログラムを受ける男性がインタビューに応じる映像のテロップが 「性犯…

冷たい風

社会問題となって久しいニートへの風当たりは強まる一方だ。うねるようにして押し寄せる排斥の波は遂に銭湯業界にまで及んだ。古くより憩いの場として市民に愛され続けてきたこの業界に「寛ぎ、団らん等の非生産的利用目的の使用お断り」の姿勢を一貫して打…

妖精に出会った

「早速お仕事ですか?」 フジファブリックのライブに向うために駆け込んだ夕方の電車。息を切らして座席に腰を下ろした僕の隣を、たった今ぎょっとするような素早い動きで陣取った女性が話し掛けてきた。振り向くと白髪をひっつめにしたその老婆は、僕の手に…

アンチ湯けむり慕情

秋が深まるにつれて風呂場がめっきりと肌寒くなった。入浴中は冷気を厭って換気扇を回さないので、風呂から上がる頃には浴室から立ち込める蒸気で洗面所の鏡が曇って見えなくなる。こんな時、ドライヤーの熱風を吹きつければ数十秒のうちに結露は取れるのだ…

右か左か

右翼団体の街頭演説に通りがかったので束の間見入っていた。物々しい街宣車を背に、戦闘服に身を包んだ強面の構成員が拡声器を用いて大声を張り上げる光景が異様に映る。その後扇町公園まで足を伸ばしたところ、祭りのような賑わいの中に屋台が見えたので、…

いつだって輪ゴムだった【最終章】

老人新人・高倉氏との血で血を洗うおしくらまんじゅうに敗れエロビデオ店を追われた僕が、次に活躍の場を求めたのもまたエロビデオ店であった。 この頃の僕は薄給に目をつぶってでも必要最低限のコミュニケーションでやり遂せる一人店番の気楽さと、業務上あ…

僕と彼女と彼女の彼

両足首に見つけた不可解な虫刺されに悩まされている。もう何年もの間、蚊に刺されても痒いと感じなかったのに、である。原因は定かではないが、とにかくこれまでは鷹揚な政策を打ち出せるほど文字通り痛くも痒くもなかった対虫関係が、突如として掻きむしら…

ボロフェスとレインボウ

9日はボロフェスタに向う。お目当ての洋食屋への寄り道が止ん事無き事情により無駄足となってしまったため、ユアソンを諦めて進々堂でカレーパンセットを注文することにした。しかしこれが昼時の混雑を計算に入れていなかったために肝を冷やすことになる。待…

証明写真

免許証の写真映りに人は多かれ少なかれ不満を抱いているものだ。その程度こそまちまちなれど、写真映りが良いという人の話はあまり耳にしない。 それは「人に見られたい自分」を再現するのに、交通センターの撮影係に与えられた時間は多くないし、また彼らも…

割り込み乗車の仕掛人

全国の通勤電車事情に明るい訳ではないが、イメージ的に大阪の割り込み乗車人口は随分と多そうだ。 構成の大部分をお年寄りが占めている気がするのは、優先座席付近において連綿と繰り返されてきた若者との抗争史に無縁ではあるまい。その不遇を考慮すれば、…

Mの起源

レコード店員時代の同僚にTさんという人がいた。彼女は全くマイペースで、およそ邪気の無い人だった。 ある時、会話中に突如として「ユミンポコがさあ…」と切り出したことがあったので「えっ?」と聞き返すと、「前に店来たことある友達やん。名前の後にンポ…

別れてなかった

7/4の日記でさよならを告げたはずの穴空きジーンズだが、思いのほか多くの方々から頂いた「大丈夫、私達も破れている」コメントを「辞めないで」コールと受け止めて実は密かに現役続行に踏み切っていた。さすがに頻度こそ落ちはしたが、確かに近所への用事…

32才のカツラデビュー

また一つ無駄に年を重ね終えた。こうして名実ともに中年の階段を昇り続ける僕の目前には、歯周病、体脂肪、痴呆(その多くは天分の資質に負う)と老化問題が山積している訳だが、中でも最も心をくだいているものとなるとやはり毛周りということになってしま…

真性・メガネ男子

メガネ男子作者: ハイブライト出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2005/09/15メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 409回この商品を含むブログ (503件) を見る明日、『メガネ男子』という書籍が発売されるのだそうだ。社会の片隅で息を潜め…