僕とシングルズ

これまでSINGLESについてあまり語ることをしてこなかったので、ここらあたりで触れてみよう、そう思っていたらペコリーナ(旧姓くっく)さんが先んじる形で日記にしたためてしまわれた。
SINGLESとの出会いやマスターユニット「ぽっくっく」についてご興味を持たれた方がおられたら、そちらこちらをご参照頂くことにして、ここでは自らのマスター史を紐解く作業も兼ねてセルフ・ライナーノーツとしけこんでみよう。



2004年
■12/31【さよなら2004 さよならタワーレコード】 ムラタ
日付上のタワーレコード在職最終日からつけたタイトルだが、企画としてはまったくもって成立していなかった。とはいえ元同僚のマコさん、popcorn君、サンさん、ニワさんらが駆けつけてくださってタワー色を彩ることには成功したと信じたい。
レシピもないままにこしらえたぜんざいの甘さは誰もが閉口する超絶糖度で、以後このメニューには一切手を出さないようにしている。
日付が変わった深夜バンビさんが駆けつけてくださった。


2005年
■1/6 【※タイトル思い出せず】 ムラタ
直前になっても埋まらないシフトを見て、新人ならではのがむしゃらさを発揮してみたのだが、繁昌しなかったという負の記憶を除いて、この日起こった一切合切の思い出が欠落していることに気づく。


■1/27 【ポクロバー】 ムラタ
営業時間の一部をマコさん、蟹ィさん、 ユンさん、タカイくんのマスター研修に充てた変則営業。その影響もあって繁盛した。
みきさん初来店。


■2/20 【エセモッズバー】くっく+ムラタ
モッズバーとして始まったぽっくっくの初陣だが、これは僕の圧倒的モッズ力の不足によって以後立ち消えたとなっている。


■3/3 【ひなまつりバー】ムラタ
当初一緒に入る予定だったペコリーナさんがインフルエンザとなってソロ活動。ペコリーナさんは療養中の身でありながらお客さんとして顔を出してくれた。ひなあられとケーキを出したことは覚えているがこれまた企画としては未完の印象が色濃い。


■3/30 【くっく卒業おめでとうバー】くっく+むらた
留年を危ぶまれながら卒業したペコリーナさんを祝った、言わば私的集い色の濃い一日だった。
この日、初来店したキカンボ君がユニット名「ぽっくっく」の名付け親に。彼はその後ぽっくっくのロマンチックに甚大なる影響を及ぼすことになるのだがそれは後述する。
オシャレ眼鏡マリニさんも初来店。
たかしやまさんの美声が響いた深夜の時間帯も印象的だった。


■ 5/16 【メス猫バー】むらた+くっく
chloeさん、ウメさんと2月のキリンジナイト以来の再会。
この数日後、ミクシィ上からもSINGLES上からも失踪し関係者各位に甚大なるご迷惑をおかけしてしまう。


■8/16 【やるっきゃナイト】パピ+ムラタ
岡田あーみんナイト」の着想から派生したパピさんによる80年代トリビュート企画。
「タッチ」、「お父さんは心配症」などの単行本が並び、BGMには杉山清貴来生たかおが流れる80年代の空気に包まれた好企画だったがあいにく客足が鈍かったことが悔やまれる。
マイナーチェンジして再度試みたい思いは強い。


■8/28 【ソフトロック〜想い出の日曜日〜】ムラタ+ぎぃやま(id;yammy2)
シングルズに興味を示されたぎぃやまさんをサポートに迎えて初めて企画らしい企画。ロジャニコ、バーバンク、ミレニウム周辺からジャズ、ブラジルにわたってソフトサウンディングな音一辺倒。
いつも後家役を務めてくださるももほさん、そしてハテさんとも初対面。
ぎぃやまさんは後にマスター研修を受講、晴れて正式マスターの一員に。


■9/2 【メス猫バー】ぽっくっく
この時はまだマイミクではなかったソルティーヌさんが来店。
彼女の日記のファンであることをお伝えしたのは決して頂いた差し入れのせいばかりではない。
この日、福岡から出張でこちらに出向かれる砂糖子さんの来店をお客様に喧伝していたところご本人より体調不良により行けない旨の電話が。ウキウキした様子から一転して奈落の底に突き落とされるピエロぶりをお客様、ペコリーナさんに笑われながら謝り続けられた恥辱の10分間。そしてこれが翌日運命の「鍵はポストに入れておいて」事件へと結実する。


■10/19【乙女バー】マコ*ポクロ
元同僚であり乙女部でもあるマコさんと「乙女らしさ」を掲げて臨んだ初コンビ。これまたケーキを出したりいつもと同じような乙女色のバーに。がっすぃさんが初来店して弾き語る。


都合11回。途中失踪など問題行動を重ねて関係者各位に大変なご迷惑をおかけしたものの、なんとかここまで月1回ペースを保ってきた。そしてちょうど1年で12回目となる次回マスターの日程が決定した。


 12/24(土)【ぽっくっくのクリスマス・ウィッシュ】
            OPEN:19時予定

よりによってクリスマスイブである。
詳細はまるで煮詰まっていないもののこれまでの二人の無計画を鑑みれば、クリスマスと聞いて誰もが思いつく安直な行動にあらかた手を染めるのは必至と思われる。
「イブ時にシングルズに来店する人は概ねシングル」
三十路を越えて拍車のかかる駄洒落フィーリングだけが一人歩きして敢えてこの日を選択させる迷走に至った訳だが、無論シングルに限らず恋人(ル・クプルと呼ぶ事にしよう)、変人、大家族等、およそ人型をとどめる生けとし生けるものすべてのお越しを心待ちにしていることも声を大にして言いたいところである。
よしんばそこにステレオタイプなクリスマスイブに警鐘を鳴らす啓発セミナー的危険臭を嗅ぎ取られたとしても否定しようとは思わない。
実際、既に参加の意志を表明してくださっておられる女性の中には、平素「彼氏いない」発言をしている女子を誘うことで踏み絵的効果を期待される呪術めいた思想の持ち主もいらっしゃる。
また結果的に独り者の集いのような事にでもなれば、僕とて過去に並外れて長い大学在籍期間から類似性を指摘されたスーフリのワダさんめいた出会い系サークル主宰の役割に身を窶す覚悟もないではない。
あるいは「特別な日と騒ぐのはマスコミだけで365分の1日でしかないよ」と開幕戦を迎えた名監督に通じるイブ観をお持ちの方もおられるかもしれないし、年の瀬も押し迫ったこの時期だけに忘年会としての機能を期待される方がおられても不思議ではない。
当日行く宛のない方々はどうか恥ずかしがったりせずに、SINGLESの扉を叩いてみてはいかがだろうか。
きっとそこに十人十色のクリスマスイブがあるはずだ。


さて、本人の了承を得たので公にしても構わないと思うがペコリーナさんもここシングルズで愛を育んだル・クプルの一人(藤田恵美)である。そしてもう一人のル・クプル藤田隆二)こそ先述のキカンボくんである。僕はこのル・クプルの二人を総称してペコリンボと呼ぶことにしている。
3月の「くっく卒業おめでとうバー」で初対面を果たした二人は、5月の「メス猫バー」で再会を果たし急接近したようだ。閉店後3人で向かった漫画喫茶のフラットスペースで、睡魔に抗えず眠ったところを二人に手荒くテレビ台の下に押し込まれた上、冷水を浴びせられるという仕打ちを僕は一生忘れないだろう。


さてここからする話は墓場まで持っていくつもりでいたが、この機会に話しておこうと思う。
先日、二人で暮らし始めたと聞いて一乗寺のお部屋に遊びに行った。
終電を逃して泊めてもらう事になった深夜の3時頃だったろうか。
なんとはなしに目を覚ますと二人の話し声が耳に入ってきた。

キカンボ 「ぽっくん好きやわあ」
ペコリ  「えー32やで」
キカンボ 「ラーメンズのDVD見てる時の顔見た?
      めっちゃ楽しそうやったで。
      すんごいタレ目やったしさあ。口開いてたやろ?」
ペコリ  「うふふ」

思いがけぬキカンボ君の告白に動悸を押さえ切れない僕は、そのまま朝まで眠ったふりを決め込んだ。
あの夜から僕の中に息吹いた女心がしなを作って悩ましく溜息をついているが、その告白はイブの夜まで置いてある。