うっかり

僕と彼女と彼女の彼

両足首に見つけた不可解な虫刺されに悩まされている。もう何年もの間、蚊に刺されても痒いと感じなかったのに、である。原因は定かではないが、とにかくこれまでは鷹揚な政策を打ち出せるほど文字通り痛くも痒くもなかった対虫関係が、突如として掻きむしら…

別れてなかった

7/4の日記でさよならを告げたはずの穴空きジーンズだが、思いのほか多くの方々から頂いた「大丈夫、私達も破れている」コメントを「辞めないで」コールと受け止めて実は密かに現役続行に踏み切っていた。さすがに頻度こそ落ちはしたが、確かに近所への用事…

鍵はポストに入れておいて

九州のネット友達が出張で来阪されることになった夏。滅多にない機会だし是非お目にかかりたい、そうお願いして土曜日のお昼にお時間を割いて頂く。 僕からは北海道土産の白い恋人を、友達からは関西圏では入手困難な高級チョコを頂いたので、少し気の早い二…

別れてなかった

7/4の日記でさよならを告げたはずの穴空きジーンズだが、思いのほか多くの方々から頂いた「大丈夫、私達も破れている」コメントを「辞めないで」コールと受け止めて実は密かに現役続行に踏み切っていた。さすがに頻度こそ落ちはしたが、確かに近所への用事…

節穴だらけ

「ちょっと!それはあかんやろ!」 今まさにお出かけせんというところで妹に引き止められた。 「お尻丸見えやで!」 股擦れによるジーパンのほころびを見つけてからもう2ヵ月が経つ。物持ちの良さで名が轟く僕も一旦は荼毘に伏すべき時と観念したが、合わせ…

路上

心斎橋筋商店街を歩いていたら、マイク一つで手持ち無沙汰感いっぱいに歌う路上ミュージシャンの姿を見留めた。楽器などには興味ない俺の歌を聴け、とばかりにカラオケを背に、切なく甘酸っぱく歌いあげるその心意気に胸打たれ少しばかり見とれていると、彼…

急逝

一昨日、可愛い坊やが天に召された。生後一ヵ月にも満たぬ儚い命だった。死因は僕の全体重を受けての圧死。 痛かったろう。苦しかったろう。 京ぽん。今月買ったばかりの京ぽん。 ご覧のように暴行を受け液晶画面が絶命してしまったのだ。 かねてより携帯、P…

股間がホット

前回の日記は喫茶店巡りにピリオドを打つ意味でしたためたのだが、東京滞在が延長となると、友人御推奨、近江屋洋菓子店のボルシチ飲み放題をどうしても看過するわけにはいかなくなった。 珈琲、フレッシュジュースに混じって明らかに異彩を放つボルシチをド…

社会の風は冷たかった

金銭。異性。時間。 そのあたりのバランス感覚を著しく欠いた人々というのは社会において決して少なくないようだ。 そして突きつめて検証してみれば、誰もが多かれ少なかれガードの緩い部分を持ち合わせていると言えるのかも知れない。 僕にとってのそれはズ…

眼鏡の死

ブリザード吹きすさぶ寒波に見舞われた今日未明、悲劇が訪れた。 自らを至福の睡眠に誘おうとベッドに布団乾燥機をセットしその上に布団を被せたその刹那、左膝下になにやら異物感を覚えたのだ。 取り上げてみるとそれは無惨にひしゃげた眼鏡。 そうだった。…

祖父を偲ぶ

今日は祖父・昌喜の命日だ。 平成十三年一月九日。 八十七歳で祖父はこの世を去った。 祖父は努力の人であった。 中学卒業後、石川県金沢市から京都に出て丁稚奉公として着物絵職人のもとで働いた祖父は、若い頃から病弱で何度も大病を患いながらも、自ら医…

ある種の鉄男

ボクは妙齢にして実家暮らしの身であります。 なもので、お恥ずかしながら昨日のEFISH行きの決断もメールで妹に連絡。 すると送信後ほどなくして妹から「どこに???」と返信が。 いやいや妹よ、昨晩言うたやないか、EFISH行くかもしれんと! なぜわかって…

帰りの電車2

御堂筋線心斎橋駅から公的には禁じられている駆け込みを駆使して乗車。 そして2駅先の淀屋橋駅で何食わぬ顔で下車。 いつもと同じ、いつもの行動。 しかしどうしてか、開いたドアの向う側では乗車待ちの女性がものすごくハッとした表情で僕の顔を見ておられ…