梅雨入り宣言

「パーマかけました?」
先週、数ヶ月ぶりにお会いしたパピさんの一言で僕は梅雨入りが近いことを知った。自分の毛髪が多分に陰毛混じりという事実に気がついた思春期以降、長い苦悶の始まりを意味するようになった季節。
生来チリチリであるというのに、ドライヤーでどんなに真直ぐ伸ばそうとも駅に着く頃には非礼にあたるほどモアモアと陰毛めいて、今後僕が週刊誌の誌面を飾ることがあったとしても袋とじ以外の起用は考えられない。いっそボサッといい感じに天パだったらと夢想に耽るも、鏡に映る現実はお笑いマンガ道場の故・鈴木義司か、楳図かずおの二者択一と苛酷を極める。
もう僕において梅雨入り宣言は楳図入り宣言と言い換えてもいい。