東京

高速バスに7時間半揺られて到着した新宿駅
早速街並みを一望せんと試みるも出口が見つからない。
まずは散歩がてら、むくんだ足を引きずって歩くのも悪くはないだろう、とぐるぐるしてみるのだが、どこへ向かっても行き止まり。
出口の見えぬ都会のラビリンスに迷い込み、次第に追い詰められた感のある僕は、半ば血眼で小走りに小走り続けた。
かれこれ1時間近く経過した頃だろうか。
どうやら僕のいる場所が地下らしい、とピンときたのは。
この駅のオープンエア構造が、田舎者の気勢を削ぐことを一義としているのならば、端倪すべからざる門前払いシステムだと言えよう。
こうして僕の東京初日は汗滲むウォーキングで幕を開けたのである。