日替わりマスターの店

poqrot2005-01-28

昨年末より日替わりマスター制度のバー「シングルズ」でマスターを勤めている。
プロフィール文にも告知を載せているためにしばしば質問を頂くので簡単に紹介させていただくと、誰もが一日の研修でマスターになれるバー、というところだろうか(主旨をご理解いただく必要はあるが)
シングルズの詳細は公式サイト(http://www.talkin-about.com/bar/ )に詳しいのでそちらを参照して頂くことにして、昨日は僕にとって3回目のマスターの日であった。
これでもかとばかりに告知していただけにご存じの方もおられると思う。
mixi等ソーシャルネットの世界にも通じる適度な閉鎖性と内輪ノリ。
そのせいか平素のシングルズはマスターの友達、および常連(=他のマスター)が止まり木のほとんどを占めるのだが、先述の告知効果でこの日はみきさんがご来店くださった。
自身3回目のマスターにして初の一見さんである。
突然の美女訪問に男性陣がドギマギする様子がカウンター内から見てとれて実に面白かったのだが、後にみきさんの隣におられた男性(たかしやまさんの同僚の方)によれば、ありえないほどチラ見を送る僕の方が殺人を犯しそうなくらい狂おしい視線を送っていたのだそうだ。
みきさんどうもありがとうございました。
僕のいやらしい視線の陵辱に懲りずにまたお越し頂けることを心よりお待ちしております。

8時からはマスター登録希望のマコさん、蟹ィさんがミゾブチ教官指導のもと研修を受ける予定だったのだが、思いがけずタカイさん、コマキさん(mixi上でのお名前を存じませぬ故)も受講されることになりこの日は一度に4人もの新人が誕生するマスターラッシュとなった。
「ナイスマスター!」
1時間ほどの講議の後、実習を終えて席に戻る彼らに対し先輩らしい鷹揚な態度でその処女航海に拍手を送った僕は本来もっと尊敬されてしかるべきなのだろうが、止まり木に集まった数が10人を超えたあたりから、あろうことか彼らはきもち浮き足立った僕の一挙手一投足を取り上げては失笑を浮かべるようになっていた。
「氷の入れ方が雑やねん!」
「ちゃう!あっちやって!」
なんたることか。
新人達に心無い言葉を浴びせられながらも、ついぞ涙をこぼさなかったのはプライドなんてちっぽけなものではなくて持って生まれたMっ気によるところが大きい。
精神衛生上ギリギリのところで僕はその奴隷気質ぶりでもって持ちこたえていたが、時間が経過するにつれイジメの実態はより明瞭になってきた。
次第に彼らの内なるSっ気を呼び覚ましてしまったのであろうか、ここから新人、ベテラン入り交じってのムラタいびりに拍車がかかっていく。
あろうことかキューピーさんのような善良な風貌のタカイさんまでもが
「あのー、お釣をもらってないんですけど」
とおずおずと申し訳無さそうな顔をして僕を強請りはじめたのだ!
僕は紳士らしくないことに大いに怪訝な顔をしてしまったが、疑心暗鬼のまま要求された額を差し出した。
そうするより他はなかった。
シングルズはおそろしいところだ。
うかうかしていると客に身ぐるみひっぱがされる。(※)

さて、ここで昨日ご来店頂いたみなさまに衝撃の事実をお伝えしなければならない。
他のマスターの方々は、手作りカレー、8ミリ映像、詩の朗読等、各自オリジナリティをもたせた企画やタイトルをつけて営業されておられる。
僕は大晦日に「さよなら2004 さよならタワーレコード」というセルフプロデュースの送別会を開いてしまった以外には特別なタイトルをつけるでもなく地味なバーを開いているという風に思われているに違いない。
しかし誰にも打ち明けていなかったが昨日のバーに実は心密かにタイトルをつけていた。

ノーパン喫茶

事後報告になりましたことをお詫び致します。
入店時に「本日はパンツ着用の方の入店をお断りしております」
「やあ、大丈夫。ノーパンですから」
といういかがわしいやりとり必須の自己申告制ノーパン喫茶というものを前日未明に思いついて一人で楽しい気分になっていたのだが、おそらくは女子を中心に猛反発を食う、それも真性のMっ気をもってしてもやり過ごせないほどの強烈ムラタバッシングを。それならばマスター独断制でしめやかに執り行なう他はない、と判断して昨日はご来店頂いた全てのお客さまがもれなくノーパンであった、ノーパン同志だからこそ成りたった打ち解けた空気だったと僕の脳内では簡潔に処理されている事実を最後にお伝えしておこう。

みなさまお寒い中ノーパンでお越しくださいまして誠にありがとうございました。

(※)タカイさんごめんなさい。驚くほど多くのみなさんから返していないと指摘を受けました。
冗談ですのでなにとぞ訴訟だけは思いとどまっていただいたい。