フリーマーケット

poqrot2004-10-18

京都で夜を明かした翌日に万博公園まで行ってきました。
フリマに行く大事な約束。
実はこれはボクにとって初のフリマ体験です。

実生活をご存じの方ならご承知かと思いますが、ボクはおしゃれさんとは程遠い人物であり、同じ服ばかりを着回す因果か、異臭を放っては軽蔑を浴びる、そんなちょっとしたギブアンドテイクの実践者として相当な地位に位置する人物なのです。

しかしこの日のボクは太陽の塔の下、妖しいエナジーに操られるようにフリマ初体験とは思えぬ周到さで事を運びました。
まず午前中から半分ほどざっと下見して日陰で休憩。
それからまた残り半分を回って休憩。
最後に目星をつけた店を順繰りに回って行くという算段。

ざっと見回した時に一番気になったブースがありました。
それはレトロなセーターやジャケットが並んでいるやや乙女色の濃い一画。
その中でもグッとくるハイネックがあったので見てみると若干丈が長い。
ボクはやや小さめのものを好む癖があるため、どうしたものかとためらっていると奥の軽ワゴンで寝ていたおじさんがムックリ起きてきました。
「それええやろ」
しゃがれ声も見た目もおよそ可愛らしさのない人物です。
「はあ。でも丈が長いような気が・・・」
するとおじさんは「いや、そんなことないで」と言ってボクの背中に合わせました。
するとびっくり。
おじさんは衿を相当上部、おそらく後頭部近くまで引き上げて、ボクに丈だけを見せて「ほらぴったりだ」と真顔で言い放ちました。
冗談ではありません。
本気なのです。
本気で騙そうとしているのです。
「ボクは今騙されているのだ!」
そう思うとおかしくて仕方なくなって財布の紐が緩みました。

負けたよおじさん。


さてその入手したハイネックのセーター。
これがなんだかとっても昭和のお父さんっぽい。
この手のものに妙に惹かれます。
普段地味顔のコスプレイヤーが次第にキャラになりきっていくように、ボクもまたこういった服を着ると父色に染まる自分に気がつきます。
それも決してホタル族なんかではない威厳に満ちた父。
芽生えるボクの父性。
包容力。厳格さ。大黒柱。
やがてボクの中から家長制度が溢れだし、それは石原シンパへと結実する。

今ならなんだってできる気がするよ。
田嶋陽子をメスブタって罵ることも、そうでないことも。

これぞ父コス。